今熊野難波金岡資料館
Imakumano Namba Kanaoka Archives
ニュミスマティック・コイン資料室/貨幣収集入門/コインオークション Q&A
1998年2月11日作成
質問オークションとはどのようなものですか
回答 売り手と買い手が対等の立場で取り引きするシステムです。双方の意見が一致した時点で、売買が成立します。売り手にも買い手にも有利なシステムです。

質問 日本でもオークションが開催されますか? また誰でも参加できますか
回答 米国や欧州での開催が中心ですが、日本でも年に数回開かれています。会場は東京です。なお、香港やシンガポールでも定期的に開催されています。もちろん専門ディーラーや個人コレクターの区別なく、誰でも参加できます。

質問 オークションのシステムはどのようになっていますか
挿し絵回答 開催日の約一ヶ月前に、オークションカタログが発行されます。このカタログは有料になりますから、まずこれを購入する必要があります。カタログには、出品されているコインの解説や写真、落札予想価格等が記載されていますから、これらを十分に検討してオークションに臨みます。当日、会場の受付で登録を済ませると番号札がもらえます。登録は住所氏名等を記入するだけで、特に身分証明書等の提示を求められることはないようです。これで準備完了です。あとは希望するコインの番がきたときに、番号札を上げて購入の意志を示せばいいわけです。オークショナーが価格をどんどん上げていきますから、最後まで札を上げ続けていた人がそのコインを落札することになります。落札した場合、落札価格の10%から15%程度の手数料をオークション会社に支払わなければなりません。また、それとは別に手数料に対して消費税を請求される場合があります。

質問 オークションに参加するとき、注意することがありますか
回答 オークションで落札したものは、原則として返品できません。したがって、必ず下見をする必要があります。当日会場で下見ができますが、混雑する場合が多いので、事前に十分に時間をかけて下見をすることが重要です。また、残念なことですが贋物や修正品が出品されている場合があります。これは決して故意にではありません。事前にオークション会社は出品物を十分にチェックしますが、そのチェックで見抜けないほど最近の贋物や修正品の完成度が高くなっているということです。したがって、相当に高価なものを落札する場合は、よほど自分に自信がない限り、十分に信頼の置ける専門ディーラーに入札を依頼するのが安全です。当然、その専門ディーラーにも手数料(落札価格の10%から15%程度)を支払わなければなりませんが、私はこれは保険料だと考えています。

質問 オークションで安くコインを購入することが可能ですか
回答 情報網が発達した現在、世界中から応札がありますから、オークションで掘り出し物を手に入れるのがますます困難になってきています。通常のコインを購入するのであれば、まず専門ディーラーを訪ねるのが得策だと思います。ただ、稀少性の高いコインは、オークションで手に入れる以外に方法がないのが現状です。いやでもオークションに参加し、他のコレクターや専門ディーラーと競り合わなければなりません。

質問 個人コレクターでもオークションで競り勝つことができますか
回答 専門ディーラーと個人コレクターが一枚のコインを競い合った場合、個人コレクターの勝ちになるケースが多いようです。専門ディーラーは自社の利益(10%程度)を上乗せしてそのコインを個人コレクターに販売するわけですから、あまり高く買うと売るのが難しくなります。これに対して個人コレクターは商売するわけではありませんから、少しぐらい価格が上昇しても簡単には競争から降りません。このことは専門ディーラーの人たちが一番よく知っていますから、個人コレクターと一騎打ちになると、彼らは大抵すぐに降りてしまいます。コインは一点物ではありませんから、今回見送ったとしても、次にまたチャンスが巡ってくることが十分考えられるからです。無理に競争して価格をつり上げてしまうと、次回に同じコインが出てきた場合、前回の高い落札価格が基準になって、安く買うことがますます困難になります。ただし、現存数が1枚とか2枚というようなコインでは話しが別です。このチャンスを逃せばおそらく生涯購入できなくなるわけですから、専門ディーラーも個人コレクターも必死になります。結局は 資金力のある人が落札することになります。


ニュミスマティック・コイン資料室

貨幣収集入門/コインオークション Q&A